マルタ島への移住を検討する際、「医療体制ってどうなっているの?」と気になりますよね。旅行と異なり、長期滞在者として安心できる医療インフラは欠かせません。ここでは、マルタの公的医療であるヘルスセンターの仕組みとその地域における配置、さらにE‑ID(e‑Residency ID)を使った医療記録の方法について詳しく解説します。
ヘルスセンター(公的医療)の全拠点一覧
マルタの公的医療は、全国に設置された10のヘルスセンターと、多数の地域クリニックで構成されています。
主なセンターは以下の通りです:
- Floriana(フロリアーナ)
- Gzira(ジーラ)
- Qormi(コルミ)
- Paola(パオラ)
- Cospicua(コスピクア)
- Kirkop(カークオップ)
- Mosta(モスタ)
- Rabat(ラバト)
- Birkirkara(ビルキルカラ)
- Victoria(ゴゾ島・ヴィクトリア)
これらのヘルスセンターは、地域ごとに担当エリアが割り振られており、居住地に応じて受診先が決まります。
そのため、マルタIDに書いてある住所の、最寄りのヘルスセンターへ行かないと受診はできません。
ヘルスセンターの仕組みと利用の流れ
ヘルスセンターの仕組みについて説明します。
提供サービス
一次医療(ジェネラル・プラクティショナー診療)、予防接種、検査、母子保健などを幅広く対応され、費用は無料。緊急対応や病院への紹介も行われます。
必要なもの
滞在者・移住者は、e‑Residenceカード(E‑ID)またはIDカード。労働者は前年のFS3の提示が必要です。
待ち時間
公的なため混雑しやすく、特に冬季は風邪やインフルエンザによる受診者が増え、数時間の待ち時間は珍しくありません。早めに訪れるのが無難です。
E-ID(e-Residence ID)による医療記録の閲覧
マルタのe‑IDを使えば、政府が提供するmyHealth ポータルにログインすることで、自分の医療記録がオンラインで確認できます。
取得できる情報は以下の通り:
- 診療記録(ケースサマリー)
- 予約状況
- 処方履歴、調剤情報(POYC)
- ワクチン接種記録
- 検査結果、画像レポート
- パーソナル・ヘルスジャーナル(任意で記録)
記録は医師がアップロードすればすぐに閲覧可能で、15日以内に放置された場合はシステムから自動公開される仕組みです。
プライベートホスピタルとの違い
項目 | ヘルスセンター(公的) | プライベートホスピタル |
---|---|---|
待ち時間 | 長いことが多い | 予約制、比較的短い |
費用 | 無料または低額 | 自己負担、保険対応可 |
サービス範囲 | 一般診療が中心 | 専門診療や迅速対応可能 |
アクセス方法 | 居住地に基づく | 予約・支払いで自由選択 |
住む場所による医療アクセスの違い
マルタ島は狭いとはいえ、移住先によって医療アクセスは変わります。都市部に近いエリア(例:バレッタ、スリーマ、サンジュリアンなど)は複数のセンターが近く便利ですが、郊外やゴゾ島の一部ではセンターが遠く、プライベートの利用も視野に入れたほうが安心です。
特に、24時間対応の緊急センターはFloriana, Mosta, Paolaが対象で、Gziraも日時制限付きで対応しています。
まとめ
マルタ島移住における医療体制は、公的なヘルスセンターが居住地ベースで一次診療を支える一方、e-ID(E-ID)を使ってmyHealthポータルで自分の医療記録をオンラインで確認できる点が大きな安心材料です。
住む場所に応じて受診先を登録し、必要に応じてプライベートホスピタルを使うことで、移住後の医療対応は格段にスムーズになるでしょう。事前に自分の居住エリアのヘルスセンターとmyHealthへの登録方法を把握しておくことが、移住準備の第一歩です。
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